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第2回試合までの準備プロスポーツ選手が、その他の職業人と違うのは、仕事とプライベートとの線引きです。仕事は仕事、プライベートはプライベート、と分けて考えられないものである部分が違います。 食事や睡眠時間にしても、今はプライベートだからお酒を飲む、とか、トレーニングをしていないオフの日だから、食事も自由に取っていい、というわけにはいきません。なぜなら、野球やトレーニングをしている時間だけが、野球の準備ではないからです。 この準備という概念は非常に難しいのですが、ストイックに、厳格な意識で、どんな要素でも野球にプラスにしてやるという気持ちが自然と、野球意外のもの全ても野球に対する準備にしていきます。 チームに強制させられるものとしては、トレーニングメニューや練習方法、食事のメニュー、遠征先での門限など、いろいろありますが、自分自身に対して決めた規則以上に、有効なものはありません。 現役時代は「Be The Perfect(完全を目指せ)」というモットーを自分自身に課せていました。今はもうこのときのような気持ちにはなれませんが(笑) このようなストイックな生活の一番の敵は「めんどくさい」という気持ちです。 私が当時誰にも負けたくないという一心で、このモットーを書いた紙を、いたるところの壁の目に付く高さに貼り、「めんどくさい」と思う心を消す工夫をしました。 とにかく何をするにもめんどくさいと思ってしまえば、何も出来なくなってしまい、逆にめんどくさいと思わなければ何でもできるわけです。 私が徹底したことは ・3時間おきにプロテインと炭水化物(当時は炊飯器で炊いた白米のおにぎり)を摂る ・決めた時間にウエイト場に行き、決めたメニューをこなす ・睡眠時間を7時間半とる ・動物性脂肪は一切摂らない これらを徹底しました。理由はそれぞれ別の項でお話しますが、たしかにこれを守るだけでもかなりの労力をつかいます。しかし、体調に関する部分ではかなり好不調の波は小さくなりました。 このストイックな姿勢はチームメイトへの牽制にもなりました。自分もここまでする必要があるのではないだろうかという気持ちにさせます。私はアメリカ人選手の中ではとびきり背の小さかったのですが(ピッチャーの平均身長は185cm、私は175cmです)、球速はチームでも1、2でした。その小さな体の私がここまでのパフォーマンスを発揮できる秘密はここにある、とチームメイトは感じていたと思います。 私にも実際、ここまでの球速が出るようになった真相ははっきりとは分かりません。徹底してきたトレーニングや食事、ピッチングフォーム、そのどれかにその要因があるのかもしれません。しかし、それらを徹底するためには、自分で決めた約束事を遂行する精神力が大事なのです。 野球以外のスポーツでは常識であっても、野球では異色とされるようなトレーニング方法や、体に関する知識などは、今の時代では色々なところから得ることが出来ます。しかし私が出会ってきた多くの人は野球というスポーツの枠にとらわれすぎて、かたくなに野球のトレーニングをしようとします。 特に有名プロ選手が取り入れているトレーニングだからということで盲目的にこれさえしていれば、あの選手のようになれる、と思い込んで自分にあっていない、あるいはトレーニングそのものが非効率であることにも検証せずに、実施している人が多くいました。ひどい場合はトレーナーが、チーム全体のトレーニングに取り入れたりすると、選手は大きな迷惑です。 そのトレーニングにはどういった効果があるのか、どの部位に対してどういう結果を期待して行うのか、とトレーニングを行う際にはきちんと説明するべきで、実施する側も、説明を求めるべきです。 多くのスポーツ選手は、トレーナーだからということで説明も受けずにトレーナーのメニューを行います。 自らの体です。そして特にプロスポーツ選手は自らの人生です。知識を得ることもトレーニングの一環だと位置づけてみてください。
試合後から次の試合に対しての準備私はコンディションをベストにするための準備から始め、次の試合でのベストパフォーマンスを目指します。 1)前回の登板の疲れをとる 2)故障箇所の治療 3)ピッチングフォームの確認 4)ピッチング内容の反省 私はどちらかというと、ピッチングの技術というのは、コンディションの上に成り立っているものだと考えている方です。ですから、いかにベストコンディションに仕上げるか、を目的にしています。 準備に関する心構えとしては、「妥協をしないこと」が大前提になりますが、これは、たとえば雨天で試合が中止になってグラウンドが使えない状態であり、登板がなくなっても、トレーニングで登板して投球したかのように筋部位を消耗させました。同時に、移動日などでいつものトレーニング施設が使えなくても、そのための代替のトレーニング方法を実践しました。 妥協しない というのは、あらゆることの中で最大限の有効策を実践するということです。
次回 第3回:監督とどう向き合うか
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